第42章 デザイナーの案を盗用した

重久瑛介は彼女の目をまっすぐ見つめ、数秒かけて嘘の気配を探った。だが、見つからない。小さく首を振る。

「いや。昨日の夜、お前はずっと普通だった」

「ほんと?」

前谷明梨はほっと息をつき、もう一度布団の中へもぐり込んだ。

「よかった。飲みすぎて変なことしてたらどうしようって思ってたの」

そのとき、玄関のチャイムが鳴った。重久瑛介は立ち上がり、ドアを開けに向かう。

彼が背を向けた一瞬、前谷明梨の顔をさっと焦りがよぎる。だが次の瞬間、音もなく安堵がこぼれた。

よかった。あれだけ酔っていたなら、記憶も全部は残っていない。

昨夜、自分から彼を誘惑したことまで覚えていたら――どう言い訳す...

ログインして続きを読む