第46章 あの女のせいだ

その一本の電話で、前谷明梨の気分はすっかり台なしになった。重久瑛介にひと言ふた言、適当に言い繕うと、彼女は立ち上がる。

「わたし……少し疲れました。部屋に戻って、ちょっと休みます」

もう重久瑛介の顔を見ることすらできない。俯いたまま足早に自分のスイートへ戻り、ドアを閉める。

かちり――。

その音を聞いて、ようやく前谷明梨は大きく息を吐いた。

今この場を取り繕えたところで、意味なんてない。OCから内容証明でも届けば、重久瑛介にだって必ず知られる。

駄目。このまま手をこまねいているわけにはいかない――!

彼女はソファに放り出していたスマホをひったくるように掴み、震える指でリンダの番...

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