第47章 もう準備は進めてる

中浦優斗は足音を忍ばせるようにして、池川里緒のオフィスのドアを開けた。

池川里緒はパソコンの画面から顔を上げ、中浦優斗の表情を見るなり、わずかに目を見張った。

「先輩?」

中浦優斗は気まずそうに頭をかき、彼女の向かいの椅子に腰を下ろした。机の上に広がる盛高プロジェクトの初期ラフや資料に視線を落とすと、その眼差しはいっそう複雑になる。

「里緒、これ。コーヒー」

そう言ってカップを差し出し、彼は苦く笑った。

「悪かったな。あれだけ力を注いでくれたのに、結局こんな形になって……会社の中に妙な動きをしてる人間がいないか、もっと早く気づくべきだった」

池川里緒は首を横に振った。

「先輩...

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