第58章 もう決まったか

池川里緒は重い身体を引きずるように家へ戻ると、スマホを取り出して矢川七海に電話をかけた。

コール音はほとんど鳴らなかった。

『里緒? 話、終わった? どうだった? 重久瑛介に嫌なこと言われてない?』

「七海……」

池川里緒はそのままソファに身体を放り投げ、肺の奥に溜まっていた息を、はあ、と長く吐いた。

「私、ほんと……人生でこんなに呆れたの初めて」

『え、なになに? 早く言って!』

矢川七海の声が一気に弾む。

池川里緒は、今夜レストランで起きたことを最初から最後まで、全部話した。

そして最後に、堪えきれずに吐き捨てる。

「……あいつ、頭おかしいんじゃないの!? あんな場で...

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