第65章 秘密兵器

中浦優斗と法務部の同僚たちを見送った頃には、もう夜の8時を回っていた。

オフィスに残っているのは池川里緒ひとり。モニターに映るのは、見慣れたはずのデザイン案――なのに今は、どれも薄く灰をかぶったみたいに見える。胸の奥が、ずしりと重かった。

自分が盗作なんてしていないことは分かっている。けれど、雪崩みたいに押し寄せる疑いの声と、一見すると「専門的」に見える比較検証の数々を前に、ひとりの力で対抗できるはずもない。

それでもOCが、彼女にまだチャンスをくれた。泣き寝入りを強いるでもなく、即刻クビにするでもなく。

――そのとき、スマホが鳴った。矢川七海からだ。

「里緒! もう上がった? ま...

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