第一百零八話

日向が画架を見つけたのは、私がアトリエで色見本を整理していたときだった。

彼は走り込んできた。顔には子どもらしい真剣さをたたえていた——怖がっているのではなく、重大な発見をしたときの、あの真剣さだ。

「星音おばさん、」日向は画架の前で首をかしげた、「パパがこれ、南向きの部屋に移したんだよ。」

私は手の中の色見本を置いた。

「うん、あっちの方が光がいいって言ってたから。」

「南向きの部屋、」日向はくり返した。何かを自分の中で整理しようとするように。「あそこって——」少し間を置いて、顔を上げた。七歳の子どもには似合わないほど真っ直ぐな目で。「おばさん、パパと一緒に住むの?」

私はすぐに...

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