第一百二十一話

再審査の通知が届いたのは、早朝七時十四分のことだった。

佐伯がメールを印刷してダイニングテーブルに置いた。何も言わず、ただコーヒーカップを私の方へ静かに押してきた。

一度、読んだ。

日本宝飾工芸協会第三者再審査委員会より、レイヴンに対し十四日以内に一九九五年から現在に至る全鑑定記録の原本提出と、手続きの逐条審査への応諾を求める――そう、書いてあった。

文面は中立だった。でも、誰が読んでも分かる。

これは日常的な審査なんかじゃない。

桂木光宗が制度という手を使って、一人の人間の三十年を地面に押しつけ、ゆっくりと踏み砕こうとしている。

私はその紙を置いて、コーヒーを一口飲んだ。味が...

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