第十三話

私は口を開きかけたが、言葉が出てこなかった。

廊下の向こうから足音が聞こえてきた。急いで、乱れた足音で、革靴が床を滑る音。一人の男性が駆け寄ってきた。スーツは紙屑のように皺くちゃで、ネクタイは曲がり、額の髪が汗で肌に張り付いていた。彼は男の子のそばへ駆け寄り、膝をついた。膝が床に打ち付けられた鈍い音が響いた。両手で男の子の顔を包み込み、指が震えていた。

「日向!日向!パパここにいるよ——」

声が裂けた。演技ではなかった。子どもを失いかけた父親の、まだ消えやらぬ恐怖の余韻だった。

男の子——日向——は顔を傾け、彼を見た。

「パパ、」と彼は言った。「おばさんが助けてくれたんだよ。」...

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