第一百三十一話

担保人の名前は、黒崎が差し出した書類の一番上に記されていた。

九条昭惠。

私はその三文字をしばらく見つめた。

病室には凛人のモニター音だけが響いていた。細く、一定のリズムで刻まれる音は、何かが秒読みをしているようだった。

「日本宝飾協会名誉理事長。」黒崎は淡々と言った。「今年七十三歳。1995年に協会常務理事を務めていた際、桂木光宗の資質に関する内部告発文書を握り潰した——署名したのは彼です。」

私は書類を一枚めくった。

協会の機関誌の扉ページには、いつも同じ顔があった。白髪、濃色のスーツ、端正な笑み。業界には昔からこんな言葉がある——九条先生に認められた者だけが、本当に立てる、と...

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