第一百四十一話

朝子の泣き方は、みっともなかった。

抑制された、品のある泣き方ではなかった。腹の底から押し上げてくるような泣き方で、涙と鼻水が一緒に流れ出て、何十年もかけて築き上げてきた体裁を、根こそぎ押し流していった。

私は向かいに座ったまま、動かなかった。

取調室の蛍光灯は、そこにいる全員の肌を少し死んだ色に照らしていた。私は両手をテーブルの上に置いていた。指先が冷たかった。自分が何を考えているかはわかっていた――ただ、先に口を開く気にはなれなかった。

佐伯は私の右側でファイルをめくりながら、彼女が泣き止むのを待っていた。

朝子がようやく顔を上げた。

「心臓に持病があったの。」

声はしゃ...

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