第一百四十三話

開廷当日、法廷の空気は張り詰め、静まり返っていた。

私は傍聴席の最前列に座り、背筋をまっすぐに伸ばしていた。凛人が左隣にいる。肩と肩の距離は十センチにも満たないが、触れてはいない。ただ、そこにいる。佐伯は右側で、手元に三束の書類を置いていた。どの束も、角がきっちりと揃えられていた。

桂木光宗が、二人の法廷警察官に連れられて入廷した。

足取りは遅くはなかったが、引きずられるような惨めさもなかった。濃いグレーのスーツ、整えられた髪。入廷の際、その視線が傍聴席を一度流れ、私の顔の上で一秒だけ止まり、それから外れた。

私は動かなかった。

検察官が立ち上がり、陳述を始めた。私はひと言ひと言...

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