第一百四十五話

判決の日、東京地方裁判所の傍聴席は朝の七時半から行列ができていた。

私は開廷二十分前に法廷へ入り、検察官席の後方にある傍聴エリアに座った。凛人が右隣に、澪が左隣に座った。美鈴は澪の隣、晋作はその隣。葵は後方の席にいた。振り返って確認はしなかったけれど、彼女がそこにいることはわかっていた。

法廷の中は静かだった。

カメラのレンズが動く微かな音まで聞こえるほど、静かだった。

桂木光宗が連れてこられたとき、私は彼を見なかった。裁判官席の上にある国章を見つめたまま、開廷のベルを待った。

裁判官が着席し、全員が起立し、また着席した。

「これより判決を言い渡す」

裁判官の声は大きくはなかっ...

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