第一百五十九話

発表会の会場は、表参道にある昭和時代の倉庫を改装した展示ホールだった。

天井は高く、剥き出しのスチールビームが走り、四方の壁には母の一生の作品写真が並んでいた。最初期の学生時代の習作から、三十年にわたって争われてきた六芒星のブローチまで。照明は暖かく、窯から焼き出されたような橙色で、展示品ひとつひとつに降り注ぎ、銀線の文様をくっきりと浮かび上がらせていた。

私は舞台の袖で、司会者が開会の言葉を読み終えるのを待っていた。

凛人は私の二歩後ろに立っていた。振り返らなくても、彼がそこにいることはわかっていた。何度も確かめてきたことで、もう確認しなくてもわかる、そういう感覚になっていた。

「...

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