第一百六十話

アドリアンの起訴状が届いた日、私は傍聴に行かなかった。

佐伯からショートメッセージが届いた。証拠は揃っている、大勢は決した、複数の罪状で起訴、あとは判決を待つだけだ、と。私はスマートフォンの画面を伏せて机に置き、しばらくそのまま座っていた。それからキッチンへ行き、澪の薬を温めた。

終わりを自分の目で見届けなくても、終わりは終わりだ。

瀬名湊が黒崎を通じて手紙を届けてくれた。短い手紙だった。業界には戻らないつもりだ、匿名の指導者として「繁星若手支援プログラム」に参加し、かつて学んだことを本当の意味で若い人たちに伝えていきたい、と書いてあった。手紙の末尾にこうあった。間違った方法で正しい...

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