第一百七十七話

招待状は、自分で書いた。

席の指定もなく、署名もない。ただのクリーム色の小さなカードで、封筒に入れる前にしばらく見つめていた。結局、一行だけ書いた。「どうかお元気で。」

佐伯さんに郵送をお願いした。誰に宛てたものか、彼は聞かなかった。私も説明しなかった。

三日後、神崎家の玄関先に一通の封筒が届いた。凛人がそれをダイニングテーブルに置いて、開けずに私を見た。筆跡を見て、すぐにわかった——蓮の字だ。いつものように細くて硬い。この人らしい。別れの言葉さえ、きっちりと書く人だ。

テーブルに座って、封筒を開けた。

中には一枚のメモだけが入っていた。

「ご結婚おめでとう。これからの日々が、ずっ...

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