第一百八十六話

一年が経った。

授乳の合間に、ぼんやりとそのことを考える。

一年。

双子が生まれたのは、三月最後の木曜日だった。お医者さんが二人を順番に私の腕に抱かせてくれたとき、隣に立つ凛人の目が赤くなっているのが見えた。それでも彼は、涙を落とすまいと必死に堪えていた。私にはもう話す力も残っていなくて、ただ手を伸ばして、彼の指先に触れた。

あの瞬間、喜びより先に胸に満ちてきたのは、静かな、完全な確信だった。

――ああ、ここに辿り着いたんだ。

お姉ちゃんは星昼、弟は夜航、乳名は小満。名前をつけてくれたのは澪だった。「満という字がいい」と彼女は言った。「一滴も残さず、全部渡してしまうから」。それを聞...

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