第二十話

人々が一斉に駆け寄ってきた。カメラマンのフラッシュが光り、アシスタントの悲鳴が空気を切り裂く。遠くにいた蓮が物音に気づき、大股で歩いてくる。

そして蒼太は――

柵の向こうから飛び出してきた。小さな顔を真っ赤に染め、瞳には怒りと恐怖が渦巻いている。

「雪萌おばさん!」

彼は雪萌の傍らに駆け寄り、膝をつき、小さな手で彼女の肩を支えようとした。そして振り返り、私を見た。

あの瞳。深い茶色の、まん丸な瞳。私はかつて午前四時の台所で、何度もこの瞳を見つめてきた。

けれど今、その瞳は憎しみに満ちていた。

「あっち行って!」彼は叫んだ。「雪萌おばさんを押したでしょ!悪い人!」

「蒼太、私...

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