第三十八話

千葉県のプライベートゴルフ場、その日の午前中は、雲が薄く広がっていた。

陽光が雲のすき間からこぼれ、芝生の上に斑模様の光と影を落としていた。風はなく、遠くの松林から鳥の声だけが、断続的に聞こえていた。

片桐宗一郎は第一打席に立ち、一番ウッドを握っていた。

肩を回転させ、腰から力を生み出す。クラブが滑らかな弧を描き、白い小球が飛び出した。ボールはフェアウェイの中央に落ちて、十数ヤードほど転がってから止まった。完璧なフォームだった。

「ナイスショットです。」

背後から、声がした。

低く、抑揚のない声。片桐は振り返った。

東雲蓮がゴルフカートの傍らに立っていた。スーツではなく、ライトグ...

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