第四十三話

目が覚めると、スマホはすでに通知の波に飲み込まれていた。

トップに表示されていたのは、雪萌の「遺願リスト」を手書きしたという写真だった。文字は繊細で、ほどよく震えているように見えた。

「第一条:一度でいいから、ウエディングドレスを着て、幼い頃から愛し続けた人と結婚したい。」

その下に添えられたマネージャーのコメントは、「雪萌は言いました――その日まで待てるかどうか、もうわからないと」というものだった。

コメント欄はすでに物語を編み上げていた。「東雲蓮、絶対に彼女と結婚すべき」「末期患者の夢を叶えないなんて冷酷すぎる」「朝霧星音はどうした?いつ離婚届にサインするの?」という言葉が、次々と...

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