第五十一話

家庭裁判所の廊下は長く、白い壁は磨き上げられて鏡のように光り、足音が落ちるたびに、深い井戸へ石を投じたような響きが返ってきた。

私は紺色のスーツを着ていた——先週、葵が一緒に選んでくれたもので、タグには「働く女性のための一着」と書かれていた。その四文字を、私はしばらく見つめていた。七年間、私のクローゼットには東雲家の家政婦が季節ごとに届ける「奥様のお召し物」しかなかった。アイボリーから薄いグレーへ、まるで漂白された人生のような色ばかりだった。

佐伯玲子は私の隣を歩き、手には書類鞄を提げていた。彼女のヒールが床を打つ音は、リズムが一定で、まるで何かの暗号のようだった。

「三回目ですよ...

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