第九十二話

白河家の団滅は、十月の第三週だった。

ジュエリー展から、およそひと月が経っていた。

あの日の天気はとてもよかった。空は深い青色で、洗いたてのガラスみたいに透き通っていた。陽光が裁判所のガラス製天井から降り注いで、床に金色の光の柱を投げかけている。私は傍聴席の最後列に座って、次々と読み上げられる馴染みのある名前を聞いていた。

呉秀雄の判決が先に下りた。数罪併罰で、懲役十五年。判決が言い渡されたとき、彼は法廷で「Kにやらされたんだ」と金切り声を上げた。その声は甲高くて耳障りで、まるで針みたいに尖っていた。でも裁判官は一度だけ木槌を叩いた。その音は澄んでいて短く、「被告人、上訴権は判決確定後に...

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