第九十四話

十一月、東京の銀杏の葉が一面に金色に舞い落ちた。

わたしの独立ブランド発表会は、銀座の古いビルの地下展示室で開かれた。ランウェイもモデルもない。ただ三十七点の作品が、黒いベルベットの展示台の上に、三十七個の小さな星のように並んでいた。

テーマは「朝霧星音 × 清原澪」。

伝承シリーズ。わたし自身の作品と、母の遺作が、肩を並べて展示されている。頭上から照明が降り注ぎ、一点一点がそれぞれに語りかけていた。


午前十時、来賓が入場を始めた。

Ravenが一番乗りだった。彼は黒いリネンのシャツを着て、袖を肘まで捲り上げ、前腕の古い傷跡をさらしていた。VIP通路は使わず、正面玄関から...

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