第九十五話

懸賞を発表してから七日目、私は母の遺品を整理した。

あの鉄の箱。深い褐色で、角が擦り減っていて、留め金は真鍮製で、もう緑青が浮いていた。中には母のスケッチブック、イヤリング、写真が入っていた。

スケッチブックを開いて、一ページずつ見ていく。六芒星の台座、銀線が絡む角度、螺旋の文様。どの線も0.1ミリ単位で正確だった。

最後のページをめくったとき、一枚の写真が紙の間から滑り落ちた。

拾い上げる。

写真には二人の若い女性が写っていた。左は母、清原澪。白いワンピースを着て、浅く笑っていた。右はもう一人の女性で、顔は日差しで少しぼやけていて、輪郭しか見えない。

写真の裏に、小さな文字が...

ログインして続きを読む