チャプター 12

オリビア

私が近づくと、彼の視線が私に注がれ、そしてドレスを吟味するように下へと落ちた。その顎がぐっと引き締まる。

「オリビア」私の名前が、彼の唇の上で罪深い響きを帯びた。「……実に美味そうだ」

熱が頬にどっと集まる。「ありがとう。あなたも、なかなか素敵じゃない」

「車を寄越そうかとも考えたんだ」彼は助手席のドアを開けながら言った。「だが、君が外に出てきたときの顔が見たかった」

「それで、私の顔から何が分かったっていうの?」私は革張りのシートに滑り込みながら尋ねた。

彼が身を乗り出すと、コロンの香りに頭がくらりとする。「これが間違いかもしれないと、君が迷っていることだ」

私が返事をす...

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