チャプター 15

私たちはロサンゼルスのパノラマビューが広がる巨大なバルコニーへと足を踏み入れた。火照った肌に夜の空気がひんやりと心地よく、眼下には星々の絨毯のように街が広がっていた。

「嘘でしょ……」私は息を呑み、手すりへと歩み寄った。「こんなの、現実じゃないみたい」

隅ではホットタブが泡を立て、湯気が夜の闇に立ち上っている。ファイヤーピットの周りには心地よさそうなラウンジャーが並べられ、その炎が空間を暖かく照らし出していた。

アレクサンダーが私の背後に立ち、彼の胸が私の背中を掠めた。「美しいだろう?」

「ええ」私は、自分が彼の体にぴったりと収まってしまう感覚を無視しようとしながら同意した。「こんな街の景色、...

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