チャプター 205

七時までにはホテルに戻っていた。足は棒のようだったけれど、心は満ち足りていた。アレクサンダーがこの後で計画しているであろう何かの前に、お腹をいっぱいにしたくなかったので、軽い夕食にルームサービスを頼んだ。

寝室の薔薇は、私が出かけている間に新しいものに取り替えられており、その香りは一層強くなっていた。私はあの馬鹿みたいに豪華な大理石のバスタブにお湯を張り、備え付けのバスソルトを入れ、至福のため息をつきながら熱いお湯に身を沈めた。

パリ。私は本当にパリにいるんだ。宮殿のようなホテルのスイートに暮らし、世界で最も美しい街のひとつを散策して、息をのむほどハンサムな夫が仕事の打ち合わせから戻り、一緒に...

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