第二十三章

オリヴィア

間近で見る大聖堂は息を呑むほど美しく、その隅々までが精緻な大理石の彫刻や彫像で覆われていた。何百もの尖塔が空へと突き出し、その一つひとつに異なる彫刻が頂を飾っている。正面のファサードだけでも、何時間も見とれていられそうだった。

「壮観だね」とアレクサンダーも認め、その高さをすべて見上げるように首を後ろに傾けた。

「壮観? それだけ?」私は軽く肘で彼をつついた。「これが完成するのに六世紀近くかかったのよ。六世紀もの間、職人たちが美しいものを創り出すために人生を注ぎ込んできたの」

「君がそう言うと、うん、並外れたものに思えるよ」彼は私の肩に腕を回した。「中に入ってみるかい?」...

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