チャプター 32

アレクサンダー

彼女は俺のあとを追って飛び込み、必死に泳いできた。俺は水を蹴って後ずさりし、リモコンを手の届かないところに保つ。彼女は速い。だが、俺のほうが腕が長く、上半身の力もある。

指先が俺の手首をかすめた。俺は身をひねってかわし、深いほうへ泳ぐ。彼女は執念深く追ってきて、苛立ちがそのまま意地に火をつけている。

「諦めなよ」少し息を上げて彼女が叫ぶ。

「取りに来いよ」

彼女が飛びつき、背後から腕を回して俺にしがみついた。二人そろって水中へ沈む。手足と泡が絡み合う。俺はどうにかリモコンだけは水面より上に保ち、もう片方の腕で彼女の腰を抱える。

浮上すると、二人とも荒い息をついていた...

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