チャプター 38

イーサンが着いたのは昼頃だった。顔を紅潮させ、髪は少し乱れている。ニックからの電話を受けるやいなや、アパートからまっすぐ車を飛ばしてきたのは明らかで、息を整える暇もほとんどなかったようだ。

「遅れてごめん」彼はそう言うと、待合室の椅子のそばにバックパックを置いた。「道がものすごく混んでて、途中で携帯の充電も切れちゃったんだ」

私は立ち上がり、彼の体に腕を回してきつく抱きしめた。「今ここにいる。それだけで十分よ」そう囁くと、彼にしがみついているうちに、ほんの少し安堵感が広がっていくのを感じた。

「容体は?」イーサンは体を離して私を見つめながら尋ねた。

「安定してる」椅子に座ったままニックが答えた...

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