第108章

ルパートの熱い吐息がダイアナの肌を撫でた。湿り気を帯び、要求するように迫ってくる。さっきの言葉の残り香が唇にまとわりつき、むず痒さと灼けるような感覚が同居して、じんと痺れた。

妙なことに、実際にはキスされなかったのが物足りないと感じてしまう。

誰にも気づかれないように追い出せ、ですって?

その問いはダイアナの意識にかすかに触れただけで、すぐに切り捨てられた。彼女はもともと、他人のルールに従って動く女ではない。

束縛が不利に働くなら、盤面ごとひっくり返せばいい。

一連の流れは滑らかだった。ダイアナは抵抗する代わりに、濡れた襟元を掴み、ぐいと引き下ろした。

不意を突かれたルパートの長身...

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