第121章

ラッセル邸の書斎で、クルーズは海外への通話を切った。顔色はひどく陰っている。

レイラは使い捨ての駒にすぎなかった。ダイアナをかすり傷ひとつ負わせることもできず、それどころか後始末のつかない泥沼を作り、メイソンからの信頼まで失わせたのだ。

負けを認める気など、さらさらなかった。

クルーズは葉巻に火をつけ、煙の渦の向こうで別の番号を押した。

つながると、強い訛りの声が耳に入った。「ラッセルさん、こんな遅い時間に? 何か厄介ごとでも抱えているんでしょう」

「カール、力を貸してくれ」クルーズは回りくどい前置きを捨てた。

カール・パディーヤ。国際的な医療大手ウェイランド・グループのマーケティ...

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