チャプター 139

ダイアナはゆっくりと掌の中で徽章を握りしめた。金属の縁が皮膚に食い込み、じくじくと痛む。

顔を上げると、くすぶる煙の向こうに視線が突き刺さるように伸び、近くで部下に静かに指示を飛ばしているアラリックを捉えた。

彼は見られている気配を察して振り向いた。深い瞳には、消え残る殺気と気遣いが絡み合い、まっすぐにこちらを見据えてくる。

アラリック……ルパート……

小さなこの徽章に導かれるように、パズルの欠片が次々とはまり、答えは今やほとんど自明に思えた。

彼を見つめるうち、ダイアナはふと、ほんの薄いヴェール一枚を隔てるだけで本当の彼に手が届きそうだと感じた。

研究室の火災は、老朽化した配線が...

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