チャプター 162

ルパートがシャンパンを二杯手に近づき、そのうち一杯をダイアナに渡してから、手すりにもたれた。顎で階下の人だかりを示す。

「こいつら――普段は金融誌でご高説を垂れてる連中が、いまはみんな君の目の届くところにいる」

ダイアナは返事をしなかった。視線だけが室内をなぞっていく。こうした社交の集まりに興味はない。彼女がここにいるのは、ただ一つ、ある仮説を確かめるためだった。

オークションは淡々と進んだ。宝飾品、絵画、骨董品――競売人の煽りに押され、どれもが吊り上げられていく。

ルパートは携帯端末を指で流し、時折顔を上げては、飛び交う数百万ドルの数字に顔をしかめた。

十五番目の品が出るまでは。

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