チャプター 183

その瞬間、会場内のあらゆる灯り――スポットライトも、頭上を飛ぶドローンの光も――が一斉に、完全に消えた。世界は絶対的な闇と静寂へと沈み込む。交響楽団でさえ演奏を止めた。

抑えきれない息をのむ気配と、不安げなざわめきが客たちの間を走る。「どうしたんだ?」「停電か?」

警備システムは即座に作動し、一秒もしないうちに非常用のバックアップ電源がつながった。床面の誘導灯がほのかに点り、恐怖の一部を払いのける。だが、その刹那の暗闇の中で、ひとつだけ――独立した白いスポットライトが、突然まばゆく燃え上がった。

その光の柱の中心に、たった一人の影が立っていた。寸分の狂いもなく仕立てられた黒いスーツ。背筋...

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