チャプター 19

五千万ドルの没収――罰としては苛烈というほかない。

ダッシュはすでに平静を取り戻し、イドリスの少し後ろを悠々とついて歩いていた。顔にはまたしても得意げな笑みが広がっている。

腕を組み、悪意に満ちた愉悦をもってディアナを眺めた。警備員に挟まれ、屈辱のうちに連れ出される姿が目に浮かんでいる。――いい気になって見栄を張るからだ。さあ、これをどう切り抜ける?

視線は一斉にディアナへ集まった。憐れむ目もあれば、嘲る目もある。だが彼女の表情は完璧なまでに落ち着いていた。眉ひとつ動かさず、ただ静かにイドリスを見返している。

その動じない眼差しが、なぜだかイドリスの怒りに油を注いだ。すべてを掌握してい...

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