チャプター 192

エルンストはびくりと身をすくめ、慌ててダイアナへ向き直ると、いっそう平身低頭の姿勢になった。「ヨークさん、どうかお許しください!」

ダイアナの視線は彼を通り越し、背後に立つルパートへ移った。目が合うと、ルパートは黙って片眉を上げる。その眼差しがはっきりと問いかけていた――満足か?

ダイアナは再びエルンストへ意識を戻し、ようやく冷ややかで抑制の効いた声を落とした。「謝罪は受け入れます」一拍置いてから言い添える。「――出ていきなさい」

エルンストは逃げるように立ち去った。数日前、尊大で学者然とした態度のまま現れた男とは思えぬほど、背中には敗北の色が濃かった。

研究室の外の廊下では、ヘルヴィ...

ログインして続きを読む