チャプター 193

ルパートは片腕でふらつくダイアナの身体を受け止め、もう一方の手ではすでに携帯電話を取り出し、短縮番号を押していた。

「医療緊急プロトコル、レベルワンを起動。地点エー・ゼロ・スリー。対象、アナフィラキシーショック。直ちに!」その声は恐ろしいほど冷静で、狼狽の欠片もない。あるのは有無を言わせぬ命令だけだった。

突発的な光景に呆然とし、客席はどよめきと混乱に包まれた。

「ダイアナ!」エリサが叫び、顔面を蒼白にして駆け寄ってくる。

ルパートは半ば意識のないダイアナを腕に抱き上げた。驚くほど軽い。だが肌は不穏なほど熱く、燃えるようだった。

「どけ!」進路を塞ぐ警備員と、立ちすくむ群衆へ低く唸る...

ログインして続きを読む