チャプター 219

「ヨーク様、失礼いたします。お客様のお向かい側のフロア一帯が、先週ラッセルという方に購入されまして。ルマリアの実業界でも名の通った方だと伺っております」

ダイアナの足が止まった。

コンシェルジュは彼女を部屋の扉まで案内し、電子式のキーカードを手渡した。「それでは、ご滞在をお楽しみくださいませ」

ダイアナはカードをかざして入室し、スーツケースを玄関脇に無造作に置いた。

そのとき、チャイムが鳴った。

扉を開けると、ローレンが立っていた。

「ヨーク先生、ラッセルさんからこれをお渡しするようにと」ローレンは、もう一枚の同じ型の電子キーカードを差し出した。ただし今度のカードは黒だった。

「...

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