第二十九章

「命令を受領。モデル構築を進行中……逆解析完了。データ連鎖は保持され、論理的パラドックスは検出されず。結論:標的薬『ウロボロス』は、培養細胞を用いた実験および霊長類モデルの双方において、アルツハイマー病の病理学的特徴の有意な逆転を示した。成功率:九四・七%」

静まり返った実験室に、アテナの感情のない電子音声が、まるで神託のように響いた。

長い、呆然とした沈黙ののち、誰かが息をのんだ。

次いで、研究室全体が安堵の歓声に沸き立った。

だが、ダイアナはただ、目の前のホログラム表示を閉じただけだった。

振り返ると、ひんやりした制御パネルにもたれ、指で鼻梁を押さえる。

持続する高強度の作業で...

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