第240章

「突破した!データ障壁を突破しました!」若い研究員の声が震えた。

一週間押し殺してきた感情が、いっせいに噴き上がる。

抑えた歓声と、乾いたハイタッチの音が研究室に反響した。

ディアナはデータの奔流の前に立ち、複雑なコードと生命曲線を見つめながら、張り詰めていた神経がようやくほどけていくのを感じた。

ルパートがやり遂げたのだと、わかっていた。

彼は過程を説明しない――いつものように、結果だけを彼女の前に置いた。

その瞬間、研究室の扉が開いた。

祝祭のざわめきが、ぶつりと途切れる。全員が入口へ振り向いた。

ルパートが入ってきた。

旅の疲れが滲む濃紺のスーツ。ネクタイは少し緩み、顔...

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