第二十六章

ラッセル・グループ本社ビル、最高経営責任者室。

フランクは最終報告書をルパートの机に置いた。

一年前の混乱とは違い、彼の顔には疲労と誇りがないまぜになっている。

「ラッセル会長。エーテルウェル・コンソーシアムの理事会――『セル』の親会社ですが――が、ヨーク氏の論文を『この十年で最も傑出した学術的貢献』として正式に評価し、終身の名誉編集委員の席を授与しました」

「我々が投資した追試用のラボは、いまや学界の聖地です。見学申請の学者は、再来年まで予定が埋まっています」

フランクは眼鏡の位置を直し、声には満足がにじんだ。

「それに、一年前に我々を空売りした投資銀行が五行ありましたが――三行...

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