チャプター 269

データの奔流が、滝のように幾重にも落ちていく。

ディアナは光のスクリーンの前に立ち、視線を一点に据えていた。

微視的な遺伝子から、巨視的な宇宙まで――彼女にとってそれは観測の倍率が変わるだけのことだ。本質は変わらない。混沌の中から秩序を探り当てる、それだけ。

近くのソファではルパートが、フランクがたった今運んできた書類に目を通している。

「プロローグ」財団が選んだ第一期の若手科学者助成対象者に関する監査報告書だ。

「アテナ」ディアナが不意に言う。「これらの信号について、世界の地上受信局の分布図を出して。信号が最も弱い地域に印を」

「指令を受理しました」

宇宙図が切り替わり、三次元...

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