チャプター 28

郊外の工業団地は都心から遠く、街灯はやけに間隔が広くて、闇をろくに照らし出せない。

遠くの街のネオンの光も遮られ、夜を切り裂くのは工事現場の巨大な投光器だけだった。

大型トラックと建設機械が、音も立てずに稼働している。そこへ黒いベントレー・ミュルザンヌが、ヘッドライトも点けぬまま影のように滑り込み、現場入口へと入った。少し遅れて、「メッセンジャー」シリーズの超高精度分子遠心機を積んだ特殊車両が続く。

ベントレーのドアが開き、ルパートが降り立った。完璧に仕立てられた黒のカジュアルスーツにネクタイはなく、シャツの上二つのボタンを外している。その姿には、危ういほどの飄々とした気配が漂っていた。...

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