チャプター 291

ダイアナの手稿の世界著作権をめぐる極秘オークションは、やがて晴れわたった午後、ラッセル・グループ本館の頂にある「知の神殿」で執り行われた。

ダイアナは姿を見せなかった。

唯一の正式代理人としてルパートが机の奥に座り、終始ひと言も発しない。

彼がしたのは、あの小さなノートを会議卓の中央にそっと置くことだけだった。

文学界で一歩踏み出せば地震を起こしかねない文化の巨人たちが、敬虔な学生のように白手袋をはめ、順番にその薄いノートを検分した。

眉が寄ることもあれば、目がきらりと光ることもある。ときには、長い沈黙が落ちた。

著作権や印税や初版部数の話は、誰ひとり口にしなかった。

最後の頁を...

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