チャプター 64

廊下でのイドリスとレイラの冷え切った対峙とは対照的に、ルパートは完全に泰然としていた。

会場から数百マイル離れた、ダイアナのコンテストのためだけに購入された壮麗なヴィラで、彼は肌触りのいい部屋着に身を包み、贅沢な革張りの椅子へゆったりと身を沈めている。

部屋を取り囲むように巨大なスクリーンが並び、国際科学コンペティションの様子が複数の角度から、遅延ゼロで映し出されていた。

かつて数え切れないほどのメディアに「神の傑作」とまで讃えられたその顔には、植物状態の人間にあるはずの虚ろさも病みも、欠片ほども見えない。

画面の中で、レイラは熱を込めて「ニューラル・スティミュレーション・エクスプレス...

ログインして続きを読む