第六十五章

画面に映し出されたのは、背後一面に本棚を配した明るい書斎だった。

端正な伝統衣装をまとった快活そうな老人が机の向こうに座り、カメラに向かって微笑んでいる。

髪は真っ白だが、頬は血色よく、目は澄んでいて輝いていた――直前の映像で病院のベッドに横たわり、骨ばってやつれた姿をさらしていた人物とは、まるで別人だ。

それでも彼は、レイラの涙を誘う広告に登場していた、あの「当事者」その人だった。

場内をどよめきが走った。エリサは目を見開き、ミルトンの腕をつかんで、噛みつくように囁く。「ねえ、瀕死の“最後のひと息”って、美肌補正付きで出てくるもの? あまりにも元気すぎるじゃない!」

「皆さん、こん...

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