チャプター 84

クモのようなロボットにつながれたタブレットの画面に、複雑なデータの奔流が走った。血液サンプルの解析、毒素の分解、神経反応のモニタリング……。

数秒後、完全な報告が表示される。

[毒素種別:神経抑制剤ティーティーエックス・セブン――変異したテトロドトキシン亜種。中枢神経系を標的。三十分以内に心停止を引き起こす可能性あり]

[最適解毒剤:エー・ケー・スリー標的中和剤(血液浄化プロトコル併用)]

なるほど、容赦がない。

ダイアナは薬剤収納部から淡い金色の小瓶を取り出し、マイクロロボットの注射モジュールに装填した。

投与量と速度を設定してから、実行を押す。

ロボットは、マイクロメートル単...

ログインして続きを読む