チャプター 9

ダッシュはその場で、完全に凍りついた。

まさかダイアナが、こんな場所で、こんな日に――自分ですらほとんど忘れかけていたあの昔の一件を持ち出すとは、夢にも思わなかったのだ。

ヨーク家の次男で、一本あたり何十万も取るやり手の弁護士であるこの自分が、妹から出資を引き出そうと自信満々でやって来たというのに、公衆の面前で古い借金を突きつけられるだなんて?

屈辱にもほどがある。

ダイアナは、彼の顔色が赤から白へ、白から赤へと忙しく移り変わるのを眺めながら、なぜだか胸の奥がすっとした。

彼女はのんびりと立ち上がり、服の皺を指先でならす。

「現金でも振り込みでも、どっちでもいいわ。それと利息も忘れ...

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