第122話私は拒否します

メイソンの言葉は、たちまち部屋の空気を痺れさせた。

オリヴィアの表情は翳り、いっぽうスカーレットの顔には喜色が走る。

セレステとモリーは興奮のあまり、もう少しで互いに手を打ち合わせそうになっていた。

パトリックとジェイコブは、企みが成功した共犯者のような満足げな薄笑いを浮かべている。

ハワード家の遠縁たちはそれぞれ違う顔つきで、ひそひそと囁き合った。

だが次の瞬間、騒めきを切り裂くように大きな声が響いた。

「オリヴィアと離婚なんかしない!」

マシューが勢いよく立ち上がる。彼は手を伸ばし、オリヴィアの手を強く握りしめた。ぶれない、拒む余地のない力。表情は冷ややかだが、声に宿る威厳は...

ログインして続きを読む