第145話悪党同士が敵意をぶつけ合う

スカーレットがオリヴィアに向けて執拗に無言の呪詛を浴びせつづけていても、パンダは彼女の毒を含んだ思念など露ほども知らず、のんきにしていた。

パンダは幅広い頭をオリヴィアの頬にすり寄せ、甘えるようにこすりつけた。ガラスの向こうのカメラマンたちは、そのいとおしく愛らしい一瞬を逃すまいと一斉にシャッターを切る。

「ねえ、あなた。この子、本当に私のこと気に入ってるみたい」

オリヴィアはパンダを抱えたまま、マシューのほうへ歩み寄った。

マシューが手を伸ばして頭を撫でようとすると、ちび助はひょいっと身を引いて避ける。

いま妻の腕の中にちゃっかり収まっているのが雄のパンダだと思い出した瞬間、マシュ...

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